2014年10月12日

生き残来栖里奈るための3つの取引』

犯人捏造、検事買収、証拠隠滅. その3つの取引の先にあるのは皮肉という名の哀れな結末. 韓国のタランティーノという異名を持つリュ・スンワン監督が挑むこの社会派クライムサスペンスは、まさに韓国の警察や検察に真正面から喧嘩を売っているようなパワフルな映画でした. やはり韓国映画界には才能ある監督が溢れていますね. 出世を約束する代わりに連続女児殺害事件の犯人捏造を任されたノンキャリア刑事のチェ・チョルギ. そのチョルギ刑事が選んだ前科者イ・ドンソクを犯人に仕立てるように依頼を受けた裏社会に通じる建設会社々長チャン・ソック. チョルギ刑事に検挙された間にチャン・ソックに物件を奪われた不動産業界のキム会長とのコネを利用して、貪欲に出世を目論むチュ・ヤン検事. 物語はこの3人の微妙で絶妙なパワーバランスを中心に正義など存在しない皮肉な結末へと一直線に突き進んでいくのですが、まぁこの弱みの握り合いがちょっと複雑ですけど面白いこと. チョルギ刑事はチャン社長との汚れた関係を隠すために、チュ検事をキム会長とのゴルフ接待写真で脅す. チャン社長は汚れ仕事を依頼されたことをチョルギ刑事への脅し材料に使い、チュ検事に真相を知られる前にキム会長やイ・ドンソクを殺してしまう. チュ検事は自分の出世をジャマするチョルギ刑事やチャン社長を排除するため、彼らの関係を調べ上げてはチョルギ刑事を脅しにかかる. 本来ならチョルギ刑事がチュ検事がどこかで正義に目覚めるはずなんですが、ところがこの映画は理由は違えど2人とも出世欲に取り憑かれているうえに、そこにチャン社長の強引さが絡み、さらにはチョルギ刑事の右腕的部下デホ刑事や真実を知ってしまった広域捜査課の若い刑事たちも巻き込んでいくことで、より皮肉さを強調していくのがとにかく面白いんですよね. 特に「役者」として選んだイ・ドンソクがDNA鑑定で真犯人だと分かる、抑えきれなくなったチャン社長を実力排除したところをデホ刑事に見られてしまう、そのデホ刑事を誤ってチョルギ刑事が殺してしまう、証拠隠滅の一部始終を記録した映像を見た広域捜査課の若い刑事たちに見られてしまう、そしてノンキャリアの部下のためにも出世の道を選んだはずのチョルギ刑事がその部下によって殺されてしまうのはあまりにも皮肉で哀れな結末. SHOX 目立ちたがり屋のチュ検事がツテとコネでマスコミから隠れ、チョルギ刑事を殺した若い刑事たちが普通に捜査に戻る. そんな光景を見ながら、どこからか「韓国には正義がないのか」というリュ・スンワン監督の叫びが聞こえてきそうな気がしました. 詰め込みすぎなOPや中弛みな中盤など完成度は決して高くないものの、絶対に邦画では撮れない韓国映画ならではの見応えのあるこの映画. やはり韓国映画界の才能は恐るべしです. 深夜らじお@の映画館 は韓国映画に再びハマってしまいそうです. ※お知らせとお願い ■ 【元町映画館】 に行こう.
posted by KoizumiFumie at 20:47| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする
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